3月26日討論・採決(反対討論2)吹田市消費生活センター条例の一部を改正する条例の制定について

3月26日にて平成30年2月定例会は、幕を閉じました。

今回は、報告案件3件、条例案件26件、単行案件12件、

予算案件21件、人事案件3件等を審査いたしました。

そのうち、いそがわが反対したもののうち、意見を述べたものを載せていきたいと思います。

つぎに、

<議案第5号 吹田市消費生活センター条例の一部を改正する条例の制定について>

吹田市立消費生活センター条例及び同条例施行規則の改正案にかかる内容は、指定管理者が担い得るとしてきた業務を市が責任を持ち直営で運営するよう変更すること、利用団体数、利用率とも低下している貸室業務を行わないこととするなど、消費生活センターの運営方法を見直すというものでした。

しかし、市が示したこれらの内容についての理由は、まったく、理由足り得ていませんでした。また、実際、貸会議室の利用も減少してきてはいません。それどころか、市が、同僚議員へ説明された、「さんくす一番館の耐震性に問題があって、パスポートセンター設置に伴う消費生活センターのさんくす一番館への移転を昨年11月に、急遽、取りやめた」という消費生活センターの縮小についての事実関係を、市は、市民の方々に公にしていません。この耐震性の問題による話については、各方面からもしばしば耳にしています。

そして、それが、パスポートセンター設置計画の突然の変更及び消費生活センター縮小するための本当の理由であろうことは、平成29年8月の市の企画会議で決定し大阪府に事務移譲の申出を行った後の、同年11月の突然の変更であったことや、変更の公表時にさえ、変更の理由を設置にかかる経費節減と主張しながら、その変更による費用の差額さえ算出していなかったことからも明らかと思われます。また、逆に、そうでなければ、昨年8月に、市が公表した当初の計画が、市民の方々が納められた税金から、不必要な費用を支出するずさんな計画であったということになります。

なお、さんくす一番館の耐震診断が実施されたのは平成21年4月です。したがって、平成29年8月以降の経過からは、市が、その耐震診断結果を同年10月もしくは11月まで失念していたゆえの突然の計画変更ではないかとも思われます。

そして、仮に、耐震性の問題が、消費生活センター縮小及び条例改正等の理由でないと、市が主張されるとして、その主張の立場に立ったとしても、以下の2点において、当該改正案は不適切なものであるといえます。

まず、吹田市立消費生活センター条例及び同条例施行規則改正にかかるパブリックコメントには、多数の反対意見しかなく、賛成意見はありませんでした。この点につき、市は、「市民等からいただいた御意見に対し、市の考え方をホームページにお示ししており、このことにより市として説明責任を果たしている」と回答されています。

しかし、市自身が定めた「吹田市民の意見の提出に関する条例 逐条解説」に、「吹田市自治基本条例第20条第1項では、条例の制定改廃等に際し、その案を事前に公表し、市民の皆さんから意見をいただき、その意見に対する市の考え方を公表するとともに、いただいた意見を考慮して意思決定を行わなければならないことが規定され、同条例第20条第2項の規定に基づき、この条例が制定されました」と定められています。意見に対する市の考え方を公表するだけではなく、いただいた意見を考慮して意思決定を行わなければならないと定められています。したがって、いわゆるパブコメ条例の第1条は、意見を考慮して意思決定を行わなければならないという義務規定となります。

よって、「市民等からいただいた御意見に対し、市の考え方をホームページにお示ししており、このことにより市として説明責任を果たしている」という市の主張は誤りであるばかりか失当であるといえます。

次に、消費生活センター直営化の提案に関する疑義について申し上げます。地方消費者行政推進交付金等の期間満了に伴う消費生活相談員の雇止めの問題については、国も取り上げ、社会的にも大きな問題となっています。

この問題については、当然、かかる補助金等を受けている吹田市も該当し、今議会での消費生活センターの直営化の提案は、消費者行政にかかる補助金等の期間の終了と関係があるように思われます。

しかし、この点について、市に問うと、補助金等を交付される額と期間を繰り返し聞いているにもかかわらず、各年度の補助金の額についての回答しかなく、期間についての回答はありませんでした。これについては、平成30年度に補助金等を受ける期間が終了するということを、市は、いいたくなかったためと思われても仕方がないといえるでしょう。なお、補助金の額は、平成29年度が7,680,509円で、平成30年度が、6,943,667円であり、両年度の消費生活相談員の人数は6名で、雇用形態は一般職非常勤職員であり、人件費の予算区分は消費経済対策費の報酬と共済費とのことでした。

また、市の人事行政全体の枠組みから、消費生活センターの直営化と補助金等の期間満了の予算上の関係について、明確に質問をしても、人事行政を所管する部署からは、「消費生活センターの運営方法及び運営体制については、担当所管において、十分に精査され、適切に対応されるものと認識している」という回答とはけっしていえない回答があったのみで、補助金等の期間満了と直営化の提案に密接に関係があるせいか、けっして、関係がないとは回答されませんでした。

以上の客観的事実からのみ考えてみても、吹田市においても、社会的にも大きな問題である補助金等の期間満了による消費生活相談員の雇止めを行うために、直営化を言いだしたものといわれるものといえます。そして、この問題については、非常勤職員の雇止め裁判で被告となった吹田市にとってはなおさら重い問題といえます。

さらに、市は、吹田市立消費生活センター条例等改正にかかるパブリックコメントを実施した際、耐震性の問題について述べられた提出意見を募集対象内容といえるにもかかわらず、ホームページ上の掲載から除外されただけでなく、かかるパブリックコメントの手続についての緊急の異議の申出が、条例の規定にしたがって、吹田市市民自治推進委員会に提出されたにもかかわらず、その異議申出があった日から約10日経過した委員会の採決後の今月22日まで各委員にも異議の内容を知らせようとされなかったとのことです。意図的な遅延行為と評価され不適切な市政運用といわれることでしょう。

以上、申し上げましたように、吹田市立消費生活センター条例及び同条例施行規則の改正案については、条例の規定に則した手続が行われたといえず、また、市民の方々への事実関係についての正確な説明責任も、到底、果たしているとはいえません。

したがって、本改正案に賛成することはできません。

賛成34 反対1 可決

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